俺様王子とキケンな契約!?
「アイツ、聖くんのとこまで殴りに行ったって……本当、ごめんね……迷惑かけて……」
殴りに来た……確かに来たな。
『何とか言えよ、恵令奈に何した…』
『……テメェ、人の女に手ぇ出してんじゃねぇよっ』
夏祭りのあの日、マンションの外で待ち伏せしていたらしい男にそう殴られた。
まあ、オレも余計なこと言ったからな。
でも、あのときは芽衣がいきなりやってきて……
『……神矢くんに手、出さないで。これ以上殴るんなら警察呼ぶから』
助けてくれたんだっけ。
ったく、アイツは予想以外の危ねぇことしやがる。
もしも何かあったらどうすんだよ。
「本当にごめんね、聖くん。」
「…ああ、別に。」
そのお陰で良いコトあったしな。
芽衣の赤面した顔を思い出したら、自然と笑みが零れて…
そんなオレを見た恵令奈は口を開いた。
「私ね、本当は少し聖くんが好きだったの。」