俺様王子とキケンな契約!?
「痛いじゃん!何これ!?」
見事、顔面に撃中した。
顔をあげると、ヤレヤレといった表情の神矢くんが腕を組んでいた。
「お前、そんなカッコだから無防備なんだよ。それでも掛けとけアホ。」
無防備って……
ああ、ドレスのままだったんだ…
ちなみに、神矢くんもホスト姿なわけで……なんか恥ずかしい。
あたしは飛んできたタオルをひろげた。バスタオルみたいな大きいタオル。
ど、どこから持ってきたの!?
「れ、零士くんは自分のジャケット脱いで肩に掛けてくれたよっ!」
「へぇ、じゃあオレも…全部脱いでやろうか?」
はっ?
ニヤリと余裕そうな笑みを浮かべた神矢くんはシャツのボタンを外しながらあたしに近づいてくる。
「や、ち、違う!そういう意味じゃ…」
目をつぶったらおでこをピンッと弾かれた。
「お前、もうちょっと危機感とかないわけ?オレが助けに行かなかったらお前、完全ヤられてたぞ。」
いつもより、真剣な顔をして神矢くんは言った。