俺様王子とキケンな契約!?
「キャー、かっこいい〜」
「素敵〜こっち向いて〜」
何十人もの女子が神矢くんの周りを囲んでいた。
神矢くんはみんなと違うスノボーをしている。
どうしてあんなに身のこなしが上手いのだろう。
あたしと比べてムダな動きがない。
あたしも神矢くんを真似して滑ってみようとしたけど……
「キャッ…!」
ドサッと音を立て後ろに倒れた。
つくづく、雪の上で良かったと思う。
何とか起き上がろうとしたとき、目の前に手が伸びて来た。
「ほら、掴まって。」
その声に顔をあげると、零士くんがあたしに手を差し出していた。
あたしは戸惑いながらもその手を掴む。
すると、零士くんはヒョイっとあたしを引き上げた。