俺様王子とキケンな契約!?
徐々に滑れるようになって上の方まで行くと、またしても神矢くんたちが目に入った。
その中には、慶樹くんもいて女の子たちに囲まれていた。
あたしとの同居がみんなに明らかになった今、きっとみんなはあたしと神矢くんが付き合ってるんじゃないかって思ってるよね……
でも、女子たちがあたしに何も言ってこないのは神矢くんがあたしを守ってくれてるから……
それなのに女の子に囲まれている神矢くんを見ると、なぜか胸がざわざわする。
どうして……
「…聖のこと、考えてた?」
そのとき、そんな声が聞こえて慌てて我に返ると零士くんがあたしを見つめていた。
「そ、そんなわけないよっ!い、いつもながらに人気だなーって!そ、それだけ!」
何とか平常心を取り繕うとして笑ってみせると、零士くんに手をギュッと握られた。
「……零士、くん?」
「今だけは……俺のことだけ考えて。」
どこか切なそうなその表情に、不覚にもドキッとした。