俺様王子とキケンな契約!?



コクン、と頷くと零士くんはパッと手を離した。



「ご、ごめん。俺、先下で待ってるから。」



スーっと軽やかに滑って行った零士くんの頬はなんだか赤くなっているような気がした。



あたしも零士くんに続いて下に降りようとしたとき、周りの女子たちの声が耳に入った。



「零士くんってゲレンデの白い王子様みたいだよね〜」


「ほんとに〜。かっこいいよね〜」



ゲレンデの白い王子様。

確かに、零士くんにピッタリだ。



「零士くんって彼女いたりするのかな〜?」



……彼女。


その瞬間、キャッキャと騒いでいた女子たちの声が一気に聞こえなくなった。


そういえば、あたし零士くんのこと全然知らない。


好きな人に大切な人がいるんじゃないかって、考えたことなかったな……






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