俺様王子とキケンな契約!?
神矢くんはあたしが逃げる隙を作ってくれている。
でも、あたしの身体は動かない。動けない。
「でも、そ、そんな目の前にいられたら…」
「はぁ?そんなの、お前のバカ力で押し退けろよ。」
あたしは何か、逃げられない口実を必死に探してる。
何で…どうして。
どうして、あたし逃げようとしないんだろ。
すると、あたしの頬に神矢くんは手を添えた。
そして、スーッと優しく撫でるとゆっくり顔を近づけて来た。
そんな神矢くんにあたしは何も出来なくて、ただ強く目をつぶると……
「……何で逃げねぇんだよ。」
耳元から掠れたそんな聞こえてきた。