俺様王子とキケンな契約!?
「ああ、関係ねぇよ。でも、そんな顔されたらほっとけねぇじゃん。」
そう言うと、芽衣は必死に溢れそうな涙を必死に拭っていた。
「ほ、本当は分かってた。男の子の部屋なんか入るものじゃないって。でも、もうどうでもよくなっちゃって……」
必死に涙を拭った芽衣は無理やり笑顔を作った。
「失恋…しちゃった。……零士くん、好きな人いるんだって。」
無理して笑うコイツを見てると胸がキューっと痛くなる。
何、笑ってんだよ。バカ。
もし、オレがそのことを知ってるって言ったらお前はどんな顔すんだよ。
ましてや、彼女がいるなんて言ったら泣くのか?
そんな顔見たくねぇよ。
「ずっと良いように勘違いしてたのかも。零士くんがあたしの王子様だって。……最初からそんなことなかったのに、バカみたい。」
泣いてんじゃねぇよ。
そんな顔されたらきっとオレは弱みに漬け込んで────
そんなヤツ忘れろよ。
そんなヤツのこと想ったってお前は幸せにはなれない。
その小さく細い身体を抱き締めてしまいそうだ────。