俺様王子とキケンな契約!?
「すげぇ冷えてんな。」
そう、神矢くんはあたしの肩を抱き寄せた。
ただでさえ近い距離なのに抱き寄せられたことで神矢くんの胸の中にスッポリ収まる形となった。
「……神矢くん、?」
「何もしねぇって言ったのにな。」
神矢くんはあたしが苦しくないように優しく包むように抱きしめた。
「イヤだったら逃げろよ。」
低くて掠れた声が鼓膜を擽る。
分かってるんでしょ?
あたしが何て言うかなんて。
ズルいよ。やっぱりあなたは確信犯だ。
抱きしめる力を弱めた神矢くんにあたしは顔を上げた。
「イヤ、………じゃない」