俺様王子とキケンな契約!?
「あれ……芽衣ちゃん?」
夕日に照らされて教室に入ってきたのは零士くんだ。
「……零士くん、どうしたの?」
なぜかドキドキしてこの場から逃げたくなった。
「忘れ物、取りにきた。芽衣ちゃんは日直?」
「う、うん。後はこれを職員室に持っていくだけ。」
そう言ってあたしはダンボールを持ち上げようとしたのだけど、零士くんがひょいっと軽々ダンボールを持ち上げた。
「これは俺が持つから。」
なんて、優しく微笑んだ。
どうしてそう、女の子が喜ぶようなことを簡単にしちゃうのかな。
あたしは零士くんに甘えて職員室までダンボールの箱を持ってきてもらった。
「ありがとう、手伝ってもらって…」
「手伝ったってほどじゃないけどね。」
そのとき、廊下ですれ違ったカップルが何やら楽しそうにクリスマスの予定について話しているのが聞こえた。