俺様王子とキケンな契約!?
ヘラヘラ男に笑顔振りまきやがって。
今隣にいる零士にも警戒心なんてねぇんだろうな。
ボーッと窓の外を眺めるオレ見て、慶樹は口を開いた。
「そろそろはっきりしたほうがいいんじゃねぇの?……大事なもん見失う前に。」
なんて、意味深な言葉を残して慶樹は席に戻った。
何だよ、はっきりしたほうがいいって。
慶樹の言葉が頭から離れないまま放課後を迎えた。
「お!神矢〜ねぇ、今日暇でしょ?慶樹くんに誘われたんだけど一緒にどっかいかない?」
昇降口で靴を履き替えていると、いつもより少しテンションのおかしい相川がそう言いながらやってきた。
「はぁ?二人で行けよ。」
慶樹もそのために誘ったんだろうし。
「なっ、ムリだよ!お願い神矢〜!!」
「だったら、芽衣を誘えよ。」
そう、芽衣の名前を出した途端相川の表情が曇るのがわかった。