俺様王子とキケンな契約!?




「芽衣は……今日、デートだよ。」


俯いてそう言う相川に少し違和感を覚えた。


「は?何だよそれ。」



そのとき、二人が揃って仲良く昇降口にやって来た。


その二人とは、芽衣と……零士だ。


この二人が一緒にいるとこなんて珍しくないが、相川はオレの腕を引っ張った。




「…芽衣、一条くんと付き合ったんだよ。」


「………は、?」



小声でそう言う相川にオレは耳を疑った。


「ねぇ、どういうこと?一条くんは彼女いるんじゃなかったの?……もしかして、二股……?」



オレは相川の手を振りほどいて零士の前に立った。



「あ、神矢くん…!実はね────」



「零士。ちょっと顔かせよ」



そう、睨みつけて言うと零士は繋いでいた芽衣の手を離した。



「芽衣ちゃん、ごめん。今日は先に帰ってもらえるかな?」



「う、うん……わかった。」



この空気にさすがの芽衣も引いたのか相川と昇降口を出て行った。




< 393 / 470 >

この作品をシェア

pagetop