俺様王子とキケンな契約!?
「芽衣は……今日、デートだよ。」
俯いてそう言う相川に少し違和感を覚えた。
「は?何だよそれ。」
そのとき、二人が揃って仲良く昇降口にやって来た。
その二人とは、芽衣と……零士だ。
この二人が一緒にいるとこなんて珍しくないが、相川はオレの腕を引っ張った。
「…芽衣、一条くんと付き合ったんだよ。」
「………は、?」
小声でそう言う相川にオレは耳を疑った。
「ねぇ、どういうこと?一条くんは彼女いるんじゃなかったの?……もしかして、二股……?」
オレは相川の手を振りほどいて零士の前に立った。
「あ、神矢くん…!実はね────」
「零士。ちょっと顔かせよ」
そう、睨みつけて言うと零士は繋いでいた芽衣の手を離した。
「芽衣ちゃん、ごめん。今日は先に帰ってもらえるかな?」
「う、うん……わかった。」
この空気にさすがの芽衣も引いたのか相川と昇降口を出て行った。