俺様王子とキケンな契約!?
日が暮れた校内はさすがにもう誰も居なかった。
校舎裏に着くと、零士は何ともない様子で口を開いた。
「で、何の用かな?」
なんて、余裕な顔でオレを見据える。
「ハッ、とぼけんじゃねぇよ。お前、何のつもりだよ」
キッと睨みつけると零士はふっと笑った。
「俺、聖が怒るようなことしたかな?」
その柔らかな口調の中に強いものを感じた。
「何でアイツと付き合ってんだよ。香純は?外国にいるからって浮気してお前、ふざけんなよ」
ガシッとその胸ぐらを掴むと、零士は真っ直ぐオレを見て口を開いた。
「……香純とは、夏休み前。とっくに別れてた。」
少し悲しそうに笑う零士に胸ぐらを掴んだ力が緩んだ。
「やっぱり香純は俺じゃダメだったんだよ。香純は今でも聖が……」
その瞬間、プツンと何かが切れた感じがした。