俺様王子とキケンな契約!?
「……お前、っ」
理性を失うとはこういうことで、もう歯止めが効かなくなった。
カッとなって手を出したが、気づいたときには口に血の味が広がった。
地面に倒れている自分がいて。
オレが零士に殴られたんだと悟った。
そして、倒れているオレに零士はしゃがんで口を開く。
「俺は確かに聖から香純を奪ったうえに約束を守らなかった最低なヤツか知れない。でも、聖のほうがもっと最低だよ。昔と変わったと思ったけどあの頃から聖は何も変わってないガキのまんまだよ。」
零士がそう言い捨てたとき、バタバタと誰かが走ってくる音がした。
そして、やって来たのは……
外国に留学中のはずだった香純だ。
そして、オレが本気で好きだった女。
「……何でこんなとこにいんだよ。」
オレは起き上がり香純見据える。
香純はオレと零士を見合わせ顔を怖ばせた。
「向こうでは冬休みだからこっちに来たの。ちゃんと話したくて零士に連絡した。じゃあ学園にいるって言うから……」