俺様王子とキケンな契約!?
“裏切られた” と理解することに時間はいらなかった。
香純に手を出した零士に詰め寄るとコイツも香純が好きだったと話した。
『聖が他の女といるから悪い。』
まあ、確かにそうだ。
だけど、香純は信じてくれているとばかり思っていたから。
オレは香純に甘えていた。
『俺が香純を大切にする。』
そう零士に言われ、オレじゃあ香純は幸せになれないと思い手離した。
なのに、今更何だ。
俺じゃダメだった。香純は聖じゃないとダメなんだよ。
そして、芽衣と付き合って香純はポイかよ。
今までオレがどんな思いでいたのかわかんのかよ。
女なんてみんな一緒だと。
信じたらいつか裏切られる。
ただ欲求を満たすだけの道具だと思って今まで接していたが、芽衣と出会って変わった。
『……あたしが全部、全部受け止めるよ。』
『あたしは裏切らないよ』
でも、最後は裏切られるんだな。
「何が裏切らない、だよ。ふざけんな。」
でも、オレが諦めんななんてアイツの背中押したんだ。
アイツが零士とどうなろうとオレには関係ない。
関係ねぇけど……
零士だから渡したくない。
そうじゃない。
もう、誰にも渡したくないと思っている自分がいる。
そして、まだ芽衣だけは信じていたい。