俺様王子とキケンな契約!?
「今日はここまで。」
先生の合図とチャイムで嫌な日本史の授業が終わったのに、あたしはまだ机に向かっていた。
ざわざわと席を立って昼休みを過ごす生徒の中、あたしはずっと黒板とノートを睨めっこ。
「それ、何回書くつもりよ。」
その声にハッとして、振り返ると
理沙が腕を組んであたしを見下ろしていた。
ノートには条約名が殴り書きで埋まっている。
何やってるんだろ。
「朝からおかしいと思ったのよね。……で、何よ。神矢?一条くん?」
前の席に座った理沙はあたしの顔を覗き込むようにして言った。
「……神矢くんに酷いことしちゃったの。」
あたしはあの日のことを全て理沙に話した。
すると、返ってきたのは意外な言葉だった。
「よかったじゃない。契約、終わって。」
どこか腑に落ちない感じだった理沙だけど、そう微笑みながら言った。