俺様王子とキケンな契約!?
「今、芽衣の心の中にいるのは誰?」
あたしはそっと目を閉じた。
浮かぶのは、あの人の顔ばかり。
イジワルなのに不器用で優しいとこ。
あたしをからかって笑うあなたの姿が浮かぶ。
だけど、その笑顔をなくしてしまったのはきっとあたしのせい。
あのときの切なげな表情が頭から離れない。
お願いだからもう一度笑ってほしい。
その瞳にあたしは映らなくていい
だからまた、もう一度笑ってほしい
そう願っている自分がいて。
いつからだろう。
いつしか、あたしの心の中はあなたでいっぱいだった。
「理沙、あたし……っ!」
顔をあげると、理沙はやれやれといった表情で笑った。
「遅いよ、バカ。どんだけ遠回りするんだか。」
そのとき、バタバタと誰かが走って教室に入ってきた。