俺様王子とキケンな契約!?
■悲しみの雨
【聖side】
いつからだろうか。
ピンク色のカーテンの部屋で目覚めることに違和感がなくなった。
時計を確認すると、もうお昼すぎだった。
そっとベッドから出ようとすると、弱い力がオレの腕を引き止めた。
「もう起きるの……?」
カーテンの隙間から漏れた光がその白い素肌を照らした。
「……ん、今日は学校行くから。」
「……もうちょっとだけ。」
そう、オレの身体に抱きつく身体は少し冷えていた。
その身体を包み込むように抱きしめるとふふっと声を漏らした。
「なんか…夜より大胆だね。」
「……うるせ。」
本当は別に何にも感情はない。
ただ頭に思い浮かぶのはスキー学習の夜、風邪を引いた芽衣をこうして抱きしめたことだった。
だから、なぜか無意識に身体が動いていた。