俺様王子とキケンな契約!?

■悲しみの雨




【聖side】


いつからだろうか。

ピンク色のカーテンの部屋で目覚めることに違和感がなくなった。


時計を確認すると、もうお昼すぎだった。

そっとベッドから出ようとすると、弱い力がオレの腕を引き止めた。


「もう起きるの……?」


カーテンの隙間から漏れた光がその白い素肌を照らした。



「……ん、今日は学校行くから。」



「……もうちょっとだけ。」


そう、オレの身体に抱きつく身体は少し冷えていた。


その身体を包み込むように抱きしめるとふふっと声を漏らした。


「なんか…夜より大胆だね。」



「……うるせ。」



本当は別に何にも感情はない。

ただ頭に思い浮かぶのはスキー学習の夜、風邪を引いた芽衣をこうして抱きしめたことだった。


だから、なぜか無意識に身体が動いていた。



< 425 / 470 >

この作品をシェア

pagetop