俺様王子とキケンな契約!?
やがて、その腕を離すとオレはベッドから起き上がり久しぶりに制服に腕を通す。
「……もう、行っちゃうの?」
「……香純もさっさと起きろよ。論文書かねぇでいいの?」
そう言うと、細い身体はハッと起き上がった。
「本当だ!忘れてた!!……あ、聖、朝ごはんいいの〜?」
返事をしないままオレは家を出た。
あの日からこんな感じで過ごしている。
あの日、芽衣の部屋を出たオレは仕方なくハルに連絡して実家の方に帰ろうとしたが、そのときちょうど香純から連絡がありオレはなぜか香純と会うことにした。
今は海外に留学している香純だが、家はそのままになっていた。
『ずっと忘れられなかった。私は聖じゃないとダメなの……』
呼ばれた理由は何となくこんな話だろうとは思っていた。
それなりに伝える言葉も考えてきた。
もう、遅い…と
でも、弱々しい力がオレの手を掴んだとき、どうしても振り払えなかった。