俺様王子とキケンな契約!?
パサッと音を立てて傘が地面に落ちる。
あたしは両手で必死に溢れ出る涙を拭う。
だけど、涙は止まってくれることなくて。
雨は涙と一緒に流れて行く。
どうしてこんなに泣いているんだろ。
どうして?いつの間に?
こんなに好きになっていたの?
「芽衣ちゃん……!」
そのとき、後ろから優しい声が聞こえて。
振り返ると傘をさした零士くんが立っていた。
こんな泣いてる姿見られたくなくて
あたしは涙を拭って無理やり笑顔を作った。
「……零士く、ん。……ははっやだな……変なとこ見せちゃった……ごめ────」
いきなり手を引かれ視界が真っ暗になったと思えば温かい腕に包まれた。