俺様王子とキケンな契約!?
そして、クリスマス。
昨日に終業式を終え今日から冬休み。
冬休みの課題なんて目もくれず、あたしは朝から鏡の前で立っていた。
「どうしよ……」
あたしはクローゼットを漁り零士くんに会うための服を選んでいた。
そういえば……
前にもこんなことあったよね。
あのときはデートだとか言ってはしゃいじゃって。
『……可愛いよ』
神矢くんに始めてそう言われた。
結局、服のことだったみたいだけどそれでも嬉しかったのは事実。
神矢くんの言葉や行動で一喜一憂して泣いたり怒ったり、笑ったり。
バカみたいだな……
もう終わったことなのに。
泣きそうになってあたしは必死に涙を拭う。
それから、準備をして玄関に向かったがあることを思い出し入口のクローゼットを開ける。
「……まだあったんだ。」
もう何年も使っていないクリスマスツリーをクローゼットから出しそれをリビングに飾った。
「これでちょっとパーティっぽくなるよね……」
理沙からはあたしの家をパーティするのに使いたいと言われていた。
断る理由なんてないし、
それに……きっともう神矢くんがこの部屋に入ることはなくなるから。
ちょっとでも、少しでも…覚えていてほしい。
ここで過ごしたことを。
あたしは天辺のキラキラ光る星を最後に飾って部屋を後にした。