俺様王子とキケンな契約!?
約束の場所、駅前の時計台に行くと零士くんは既に待っていた。
「零士くん……お、お待たせ」
すると、零士くんは俯いてしまった。
「芽衣ちゃんってドキドキさせるの上手いよね。」
「……え?ドキ、ドキ?」
「いや、何でもないよ。」
そう言った零士くんはふふっと笑ってあたしに手を差し出してきた。
「……えっと」
困っていると零士くんはあたしの手を優しく握った。
「今日だけ、わがまま許して。」
少し切なそうな零士くんの表情に何も言えなくなってあたしも零士くんの手をギュッと握った。
「……ねぇ、どこ行くの?」
「……ついてみれば分かるよ。」
そう、零士くんは少しイタズラっぽく笑った。