俺様王子とキケンな契約!?
そしてついた場所は────
「……ここ、この前来たプラネタリウム?」
「うん。覚えてた?」
忘れるわけないよ。
キラキラ子供のように夢中になる零士くんの新たな一面を知った場所。
「ここ、冬限定でクリスマス仕様の公演になってるんだ。……芽衣ちゃんには見せたくてさ。」
照れたように笑う零士くんに胸が熱くなった。
「すごく嬉しいよ……ありがとう。」
零士くんの手に引かれ、あたしは夜空の世界に足を踏み入れた。
前に来たときよりも、クリスマスバージョンということですごく綺麗だ。
こんなたくさん星があるなかで、あたしは神矢くんという星を選んだ。
近くにいてくれる零士くんじゃなくて。
どうしてこんなに星の数ほど人が多いのに神矢くんなんだろう。
でも、星の数ほど人が多いなかで神矢くんに出逢ったことは本当に奇跡だと思う。
振り向かれなくたっていい、離れてしまったって……
あたしは、神矢くんに出逢えてよかったと思っている。
そんなことを考えていると公演は終わってしまいあたしたちはイルミネーションが光る繁華街を歩くことにした。