俺様王子とキケンな契約!?
「あっという間に暗くなったね〜星見えるかな〜都会のこんなとこじゃプラネタリウムみたいな星見えないよね〜」
「……じゃあ、今から本物の星見に行く?」
隣にいる零士くんを見上げる。
「え?本当?見たい!見たい!!」
そう言ったのだけれど、零士くんは少し悔しそうに笑った。
「やっぱり帰ろっか。」
「……え?どうして、?」
「そんなに無理しないでよ。分かってた、プラネタリウム見てるとき誰のこと考えてるかぐらい」
「……え?」
「……聖のこと、考えてるんだって悔しいけど分かった。俺じゃなくて。」
下を向いて笑う零士くん。
「聖より俺にしとけよ…って本当は言うつもりだった。でも、それじゃダメだって分かった。」
「……零士くん」
「ほら、会いに行く人いるだろ?」
どうして最後まで優しくしてくれるの。
あたし……最後まで迷惑かけて……
「零士くん…本当にありがとう。」
「うん。頑張れ。」
零士くんの声援をうけ、あたしは夜の街を走った。