俺様王子とキケンな契約!?
そりゃそうだ。
あのどんちゃん騒ぎの理沙でもさすがにもう帰っているだろうって。
ブーツを脱いで部屋に入ろうとしたとき、携帯が音を立てた。
ディスプレイには理沙という文字が。
あたしは慌てて通話ボタンを押した。
「り、理沙どうしたの?」
「あ、芽衣ぃ〜?ごめ、片付けずに家出ちゃった!」
向こうから聞こえる理沙は何だか様子がおかしい。
そして、小さく慶樹くんの声が聞こえる。
「まさかっ、お酒飲んでないよね!?」
「まさか〜へへっ」
……怪しいけど、文化祭のときもこんな感じだったよね。
炭酸ジュースで。
「あ、芽衣〜、あんたにもサンタさん来たよ〜」
「……え?」
やっぱり酔ってるの?
サンタさんって何の話……
「プレゼント、芽衣が今一番欲しいものだよ。……んじゃねぇ〜」
一瞬、理沙の真剣な声が聞こえたと思ったらまた酔っ払いのような声に戻って電話は切れた。