トライアングル
萩原さんの同期の山田さんはなぜか私の隣に来た。
そして私の返事を聞かずに彼女は腰を下ろす。
「えーと、坂口さんだっけ?よろしく。私、総務の山田です」
「あっ、えーと、坂口です」
総務の山田さんが軽く自己紹介を始めたから、私もお返しに自分の名字だけ述べる。
「今年入って来たんでしょう。坂口さん。なんかやっぱり若いわよね」
私をじっくりと上から下まで見詰める山田さんはそう呟く。
そんな見られてもな。全てにおいて自信のない私は、山田さんみたいな大人な女性にそんな事言われても、ただ虚しいだけだった。
だって山田さんの方が綺麗だし大人っぽいから。
山田さんは見た目も綺麗で大人な女性だ。
ワンレンで肩まですれすれの髪。それはストレートでさらさらで少し茶色かかっている。
化粧はナチュラル。でも彼女の魅力を最大限に引き出している。
きっと山田さんは元がいいんだ。
そんな山田さんだけど、美人特有のつんけんした態度などは全くなく、とっても気さくでいい人だった。