トライアングル
いつもなら隣にいる瑠菜とばかりお喋りしてしまう私なのに、気がつけば今日はなぜか隣にいる山田さんとばかり話していた。
基本人見知りしてしまう私は、なかなか初対面な人と打ち解けて話す事が出来ない。
けど山田さんは違った。
長年接客業をしているからなのか、はたまた話しやすい人なのか、すんなりと打ち解け話が出来た。
だから私は瑠菜の事をすっかり忘れていた。
いつもなら彼女にベッタリな私が、今日は山田さんにベッタリだったから。
気が付くと瑠菜は私の隣には居なくて、別の席に移動していたらしい。
萩原さんのお友達と仲良く語らっているようだ。
そんな彼女の姿にほっとしながら、さりげなく萩原さんの姿をさがした。
が、萩原さんがいない。
トイレでも行ったのかな?
彼の姿が見えないだけで、なんだかさびしいなんて、私かなり萩原さんの事好きなのかな!?
とりあえず、あまり長くキョロキョロしてると、隣にいる山田さんになんだか勘ぐられてしまいそうな気がしたので、私はそろりと視線を目の前のテーブルに戻した。