トライアングル



トイレを済ませ席に戻る。



その席までの短い道のり、私はまだ諦め切れなくなくて意味もなくキョロキョロとしてしまう。



好きって伝えたいのに。



何となくチャンスがない。掴めない。



だから苛々してしまう。



仕方なくとぼとぼと席に戻る。



席に戻り辺りを見渡せば、そう言えば瑠菜も居ない。



トイレにも居なかったし、どうしたんだろ?


今日はあまり瑠菜と一緒じゃあなかったから、ちょっと心配になる。



「あれ、坂口さん座んないの?」



席に戻ると山田さんが私に手を振る。そして声も掛かる。



私は何となくモヤモヤした気分にを拭えないまま、また山田さんの隣の席に腰を下ろした。



「どうかした?」


「いいえ、ただ、瑠菜の姿が見えないからどうしたのかな?って」


「瑠菜?あーあ、坂口さんの隣にいた女の子??

あーあ、そう言えば居ないわね」



私を心配して声を掛けてくれる山田さんに私は事情を説明する。



そっか、山田さんは瑠菜と面識ないんだ。



まぁ、私も今日初めて山田さんと話したんだけど。

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