トライアングル



「その内戻って来るから、心配する事ないわよ」


「……そ、そうですね」



私は今まで飲んでいた自分の飲み物に手を伸ばし、一口ゴクンと飲み込んだ。



自分の気持ちを落ち着けたくて飲んだ一口だったけど、全然気分は上がらなくて、


そしてトイレに行っている間に新たな話題に周りは盛り上がっていて私には着いて行けなくて、


ただただ山田さんの隣に大人しく座っていた。



「どうしたの?美伽」



つまらなそうに手持ちのグラスを弄んでいると、瑠菜がどこからか戻って来た。



「瑠菜、どこいってたの?」


「えっ?

ちょっとトイレに………」


「………」



明らかに言い淀んだ瑠菜の台詞に、私は違和感を感じながら、でも何も言うことはなかった。



トイレになんか居なかった癖に。



そして、ふと視線をさ迷わすと萩原さんもいつの間にか席に戻ってた。



なんだか怪しすぎるふたり。



気のせいかな?


そうだといいんだけど。


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