トライアングル



『意地っ張り』って……。



山田さんの一言で引っ込んでしまった涙。でも、それでよかった。



さっきまであんなに酔っ払ってた山田さんはまるで嘘のようで、たぶんいつもの山田さんに戻っている。



「ねぇ、もしかして坂口さんって、萩原の事が好きなの?」


「えっ?」


「いや、ただ何となくそう思っただけだから深い意味はないんだけど。

だったら邪魔したみたいで、私悪いことしちゃったかな?なんて」


「………」




不覚にも図星な私は山田さんの台詞に返す言葉が見付からなかった。



見付からなくて俯くとまた涙が溢れそうになる。



ーーなんで山田さんは気付いたのに、萩原さんは私の気持ちに気付いてくれないの?



私は唇を噛み締め流れ出しそうな涙を必死に食い止めていると、山田さんが再び口を開いた。



「ねぇ、ちょっと飲み直さない?」



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