トライアングル
おでんに日本酒。
そんな組み合わせで私達はいつの間にか飲んでいた。
さっきあんなに食べたのに、こうやってお酒もおでんも胃袋の中に収まるなんて、私はびっくりした。
けど、そのぐらいおでんはおいしかった。
山田さんとはくだらない会社での噂話で盛り上がり、それを笑いながら聞いている自分が居ることに少しだけ驚いた。
まだ、私、笑えるんだ。
だから、明日萩原さんに会っても大丈夫な気がした。
実際はどうだか分からないけど、今の時点で、彼の事を見て
泣かずにすみそうな気がした。
って、まだ告ってもいないのに。
「少しは元気になった?」
「え?」
屋台でたらふく食べて飲んで笑った私達は、今家に帰る為歩いている。
気持ちが軽くなったのは、きっと山田さんのお陰。
けど、こうやって口に出して聞かれるとなんか照れ臭くて、私は分からない振りをする。
「まぁさ、色々あると思うけど、頑張れば報われる事ってきっとあるから、
無理はせずに自分のペースでやってみたら?」
「……はぁ、はい」