トライアングル
だから無理矢理踵を返し、私は方向を変えて立ち去る。
今の私にはそれがやっとだ。
けど、私はどこへ向かえばいいの?
気が付けば足は止まり、目からは涙があふれでていた。
どうしよう?こんなんじゃあ職場に戻ることは出来ない。
少しだけ冷静になって考え、取り合えず備品整理の為倉庫に向かった。
ここなら少しだけ時間が潰せる。
潰せるけど、上手く心が言う事を聞いてくれない。
さっき見たあの二人の姿が鮮明に頭の中で再現される。
あーあ、もしかしたら萩原さんは瑠菜の事が気になってたんだ。
私がご飯に誘われたのは、私の事が少しでも気になるからじゃあなくて瑠菜に近付く口実だったのかもしれない。
そう考えると悲しいけど、涙は止まった。
そうだよね。萩原さんは一言も私の事を好きだなんて言ってない。
私が勝手に誤解して好きになっただけなんだ。
結局は私の片思い。それは報われず終わっただけなんだ。
悲しいけど、これが真実。
私はそんな自分の気持ちに踏ん切りをつけ、倉庫を後にした。