トライアングル
矢継ぎ早に聞いてくる萩原さんに少し面食らいながら、それでも私は正直に答えた。
「……はい、遅番ですけど。
終わるのは7時ぐらいでしょうか?たぶん残業はないんで」
「そっか……」
「……?」
萩原さんに聞かれた質問の意図が分からないまま、とりあえず私はお昼ご飯に手を付ける。
萩原さんはと言えば、もうお昼は済ませたのかお茶を手にしていて、
なんだか考え事をしてるみたいだ。
私はだからお昼ご飯を食べる事に集中した。
そうでなくとも、この空間にふたりきりなんて私にしたら心臓に悪い。
男の人に慣れていない私は、例え好きな人でなくともこうやってふたりきりなんてどうしても落ち着かない状況だ。
ましてや、歳もあまり変わらないし……。
だからすましてご飯を口の中に掻き込む。
すると考え事が終わったかのか、萩原さんが口を開いた。
「あのさ、
この後、暇?だったら飯でもいかない?
ほら、この前約束したし」