もう一度抱いて
亜美に言われて、急に心臓がバクバク言い始めた。


キョウセイも言ってたけど私、自分の感情を押し殺して来たように思う。


本当は悲しいのに。


本当は怒ってるのに。


何も感じないように、自分の心にフタをして来た。


そして京香といると、私は苦しくてたまらない。


これが、本当の友情って言えるのかな…。


「里桜。いい機会だから、夏休みの間、自分のこと見つめ直してみたら?

自分の心を偽るとしんどくなるよ」


「亜美…」


心を偽る…か…。


確かにそうかもしれない。


「わかった…。

ちょっとじっくり考えてみるね」


私がそう言うと、亜美は優しい目をして笑った。


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