もう一度抱いて
引き戻される現実
夕飯の準備が出来ると、今度は配膳の準備が始まった。


私は大きなトレーにサラダを載せて、各テーブルにサラダを配って回った。


当然だけど、京香達の席へも配らないといけない。


私は覚悟を決めて、二人の席へと向かった。


「失礼します」


そう言って二人の前にサラダを置いた。


京香が私を見てニッコリ笑う。


「ありがとー、里桜。
さ、食べよう。トモオ君」


キョウセイは私の顔をチラリとも見ずに、目を伏せている。


私はペコリお辞儀をして、その場から離れた。


その後もスープやメインディッシュを運んだけれど。


楽しそうに笑う京香とは違って、キョウセイは終始静かに食事をしているようだった。


食事を終えると二人は、ペンションの外に出て行った。


どこかに散歩にでも出かけるらしい。


私達はその後、なんだかシラけたムードのまま片づけを終えた。
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