もう一度抱いて
本音でぶつかる彼と
その日はなんだか気が重くて、ずっと元気が出なかった。


午後からの休憩も、ひとりで買い物に出かけたりした。


夕飯準備のためにペンションに戻っても、まだ二人は帰っていないようだった。


姿が見えない方がいいと思っていたのに、見えなかったら見えなかったで寂しくなってしまう。


もう、かなりの重症かもしれない…。


とりあえず仕事!と自分に気合いを入れエプロンを着けると、おじさんとおばさんが私達を呼んだ。


「今日は外でバーベキューしようと思うんだよ。
準備が整い次第、お客様と一緒に食べてもいいから」


「まじでー?やったー」


おじさんの言葉に喜ぶ小山君。


「バーベキューなんて久しぶり。楽しみだなー」


亜美も嬉しそうだ。


そんなみんなの横で、私はひとり気が重かった。
< 149 / 479 >

この作品をシェア

pagetop