もう一度抱いて
「なぁ。話は変わるんやけど。

里桜ちゃんの手って、なんかむっちゃ柔らかいよな」


「え?」


突然そんなことを言う相原君に目がぱちぱちしてしまう。


そ、そう言えばさっきから、ずっと手を握られていたな。


「さっきも思ててん。

こっちに連れて来た時。

なぁ、ちょっと腕触ってもええ?」


「は?」


ちょっ、ちょっと。


なんでいきなり?


戸惑う私のことは気にも留めずに、相原君は私の腕をぷにぷにと触り始める。


「何これー。
別に太ってへんのに、なんでこんなに柔らかいねん。
ちょっ、ほっぺたとかは?」


「えぇっ?」


思わず仰け反ったけど。


いつの間にか相原君は、私の頬を両手で包み込んでいた。


そして、つまんで横に引っ張る。


「すげー、むっちゃ伸びるやん」


「い、痛いよー」


人の顔で遊ぶのはやめてー。

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