もう一度抱いて
親友と絶交した日
そんなハプニングがあった一日も終わり、翌朝になると、京香とキョウセイはまた二人で観光に出掛けてしまった。


京香は今晩もう一泊して、明日の朝出発するらしい。


残された私達も、小山君の提案でバスに乗って午後から観光をすることになった。


向かった先は牧場。


ここでは乗馬体験や、牛の乳搾り体験などが出来るらしい。


私達はとりあえず緑鮮やかな高原を散歩したり、牧場で飼われている動物達と触れ合って遊んだ。


「ねぇ、搾り立てのミルクで作ったソフトクリーム食べない?」


亜美の提案で、私達はソフトクリームを買った。


木陰のベンチに腰掛けて早速4人でソフトクリームをいただく。


「すごーい。濃厚!」


亜美がビックリして目を見開く。


「うまー。何これ?こんなの初めて食べた」


小山君も感激している。


「えー?そんなにうまいん?
俺もそっちにしたらよかったー」


相原君が羨ましそうに、私達のソフトクリームを眺めている。


「チョコ味なんか選ぶからだろう?普通こういうところに来たら、こっち選ばない?」


小山君が呆れた顔で言った。


「俺、チョコ好きやねん。
でも、確かにアカンかったー」


相原君って、そういうところが面白いよね。


「なぁ、里桜ちゃんのちょっと食うてもええ?」


「は?」


「一口でええねん」


「え、やだー」


「スプーン使うし」


そ、そういう問題じゃない!


「な、ええやろ?」


「え~!もうっ。しょうがないなー」


私はしぶしぶソフトクリームを差し出した。


「やった!やっぱ優しいなー。里桜ちゃんはー」


そう言って相原君が、私のソフトクリームをスプーンですくう。


「ちょっ、取り過ぎじゃない?」


この小さなスプーンに乗り切らないほど取ってない?


「俺の食うてもええから」


「い、いらない…」


そうやって二人でギャーギャー騒いでいる時だった。


「あらー?里桜じゃなーい」
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