もう一度抱いて
こんなところで聞きたくなかった声に、ゾクリと背中に悪寒が走る。


ぎこちなく振り向くと、可愛い花柄のブラウスにショートパンツを履いた京香が立っていた。


その後ろに、柔らかそうな白いシャツを着たキョウセイの姿が見える。


「里桜達も来てたのね」


ニッコリ笑う京香。


「みんなが食べてるそれ、おいしそうね」


「あ、うん。おいしいよ。搾り立てのミルクで作ってるらしい」


一応笑顔で答えれば。


「トモオ君。私達も食べよう」


さりげなく、キョウセイの背中に手を回す京香。


それを見ていたら、チクリと胸の奥が痛んだ。



「スキありっ」


突如聞こえた声にビックリして振り返ると、相原君が私のソフトクリームのコーンにかぶりついていた。


「いやーーー!
なんてことするのよーーー!」


ひどいっ。


そんな大口で食べなくても。


「はよ食わな、溶けるでー」


「ほとんど相原君が食べちゃってるじゃん!」


ぶぅと頬を膨らます。


何?この歯形。


仕方なく残りを食べていると。


向かいのベンチに、京香とキョウセイが腰掛けた。

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