もう一度抱いて
京香の言葉に、ドクンと心臓が大きく鳴った。


「ね、ねぇ。やめない?そういう話。
二人のデートのジャマしても悪いし、僕らは乗馬に行こう」


小山君が急に立ち上がって言った。


「そ、そうだね。行こう。相原君、里桜」


亜美も慌てて立ち上がる。


でも相原君は立ち上がろうとはしない。


「へぇ…。じゃあ朝田さん、里桜ちゃんに腹立ったんちゃう?」


私の肩を抱いたまま、冷たい口調で話す相原君。


「自分の好きな人が、友達を好きなんやろ?
その口ぶりからして、一人じゃなかったぽいしな。
ムカついたんやろな~」


「ちょっと、相原君?」


どうしてそんなことを京香に言うの?


「べ、別にムカついてなんてないわ。
里桜は友達だもの」


京香は少し怒ったような顔をして言った。


「友達…ねぇ。寛大やねんなー」


「ね、ねぇ。さっきから相原君、何なの?
妙に突っ掛かるよね」


京香はかなり戸惑っているようだ。


「じゃあたとえばキョウセイと里桜ちゃんが仲良うしてても、平気ってことやねんな?」


「え…?」


相原君…?

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