もう一度抱いて
京香の言った意味がわからなくて、頭の中が真っ白になってしまう。


勝手に震えてしまう指を、隠すようにぎゅっと握り締めた。


「最初はね、里桜のこと好きだった。
優しいし、信頼できるし。
だから、中学時代のことも打ち明けたの」


そうだよね。


私達、すごく仲が良かった。


大事な話を打ち明けてくれて、嬉しかったのに…。


「でもね、なんか…。

クラスのみんなから愛される里桜を見てると、どうしようもなく腹が立って…。

だんだん嫌いになっていったわ」


「ど、どうして?

きょ、京香は学校中の男子からモテてたじゃない。

そんなあなたが、どうして私なんかに腹が立つの?」


私がそう言うと、京香はハッと息を吐いた。


「確かに、見た目だけで寄って来る人は大勢いたわよ。特に他のクラスとかはね。

でも同じクラスの男子は、私よりみんなあんたが好きだったの。

その理由は私にはさっぱりわからないよ。

正直、どこがいいのって思うし。

だから、余計にムカついてたの」


そ、んな…。

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