もう一度抱いて
やばい。


やっぱり余計な事を聞いてしまった。


私はブンブンと頭を横に振った。


「そ、そんなこと、あるわけないでしょう?

キョ、キョウセイには彼女がいるんだし」


明らかに動揺した声が出て、思わずぎゅっと目を閉じた。


「里桜ちゃん…」


「え…?」


恐る恐る片目だけ開けると。


「……わかりやす過ぎるで」


相原君が目を細めながら呟いた。


うそーーー。


バレた?


え~ん、どうしよう。


「まじかー。

キョウセイに、キスされたんかー」


「口に出して言わないでよ。お願いだから」


「はー。そらビックリやなー」


相原君の言葉に、ガクンと肩の力を落とした。


言うんじゃなかった……。
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