もう一度抱いて
最初はシクシク泣いとった里桜ちゃんやったけど、そのうち子供みたいにワンワン泣きじゃくり始めた。


こんなにガマンしとったんかと思たら、俺も一緒に泣きそうになった。


キョウセイ、なんでキスなんかしたんや。


責任とられへんなら、そないなことすんなや、アホッ!


しゃがんだまんまで、若干足がしびれてきとったけど。


それでも俺は里桜ちゃんの肩を抱いたまま、コテツの前で里桜ちゃんが泣き止むのを待った。


夜の風は冷たかったけど、身体を寄せ合っとるせいか、そない寒いとは思わへんかった。


しばらくしたら、涙がおさまって来たみたいで、里桜ちゃんはふぅと長い深呼吸をした。


「足、しびれてへん?」


俺はもうビリビリやけど。


「うん。しびれた…」


そう答える里桜ちゃんが面白くて、思わず俺はくすっと笑った。


そしたら里桜ちゃんも、ぷっと吹き出した。
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