もう一度抱いて
「京香が、なんて…?」


亜美の少し低い声に戸惑いつつ、私はメールの内容を読んだ。


「近々会えないか…だって」


「え…?」


「亜美も一緒にどうかって言ってるよ」


チラリ横目で亜美を見ると、亜美は眉をしかめて、ハッと短く息を吐いた。


「私はパスよ。会いたくないわ」


まぁ、そう言うだろうと予想はしていたけど。


「里桜、会うの…?」


「ん?んー、まぁ、一応…」


私がそう言うと、亜美は呆れた顔をして見せた。


「あの子なんなの?

未だに親友ヅラ?

あの子のせいで、里桜がどれだけ傷ついたと思ってるのよっ」


「亜美…」


「地元に残ってればいいものを、私達を追いかけて上京なんかしちゃってさ。

あー、ホント腹立つっ」


そう言って亜美はスッと腕を組んだ。

< 24 / 479 >

この作品をシェア

pagetop