もう一度抱いて
「相原君…。無理だよ…」


「え…」


「付き合えない…」


「ちょっ、待って。

別に今やないねん。

これからちょっとずつやーって言うてるやん。

そんな簡単に返事せんとって欲しい」


悲しそうな目をする相原君。


子犬みたいで、なんだか可愛い。


「違うの…」


「違うって、何が?」


「私、誰とも付き合えないと思う…」


「は?何それ。

どういうことやねん」


私はふぅと長い息を吐いた。


「7月にコンパで初めて出会ったでしょう?

あれってね、私のために亜美達が開いてくれたの」


「え?そうやったん?

里桜ちゃんのために?

なんで?」


「私ね、1年付き合ってたゼミの先輩に振られたの。

そんな私を慰めるために、亜美達がコンパを開いてくれたの。

私を元気づけるために」


「へぇ…。

でも、それとこれと、何の関係があんの?」
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