もう一度抱いて
私は一度目を閉じて、ゆっくりと瞼を開いた。


「問題はね、

私が先輩にフラれた理由なの…」


「え…。

何それ。

そ、そういやそうやな。

なんで里桜ちゃんがフラれるんやろって、ちょっと疑問には思ててん。

な、何やったん?」


相原君が真剣な顔をして私を見ている。


私はゴクッと息を飲んだ。


これを誰かに打ち明けるのは初めてで、ドクドクと心臓の鼓動が速くなってしまう。


でも、言わなきゃいけない…。


とても、大切なことだから…。




「相原君。





私ね…。








不感症なの…」
< 254 / 479 >

この作品をシェア

pagetop