もう一度抱いて
「え…?」


キョウセイが目を見開いた。


「もう歌われへんて。

お前のことを思うと、つらいからって。

お前、里桜ちゃんのこと、なんやと思てんねん」


「な、何って…」


「これ見てみ!」


俺は、さっきのノートを差し出した。


「これ…。永瀬のだろ?」


「ここ読んでみろや!」


俺がそう言うと、キョウセイがその歌詞を読み始めた。


真剣に読むキョウセイの手が、少し震えていることに俺は気づいていた。


その時、亜美ちゃんがキョウセイのそばにゆっくり近付いて行った。


「磯村君。


この歌詞…。


 
里桜から



磯村君への





ラブレターだよね?」

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