もう一度抱いて

座敷に案内され、俺達8人は男女交互に座った。


乾杯や自己紹介なんかがあったけど、俺の隣に座る小さな女の子は全く話を聞いてない様子で、ただひたすらお酒を注文し、黙々と飲んでいた。


童顔な女の子がお酒をガンガン飲む姿ってなんだか初めて見る気がして、俺は動物園で珍獣を見ているような気分だった。


なんか、いちいち面白いヤツ…。


そうこうしていると、拓真と小山が、貴志と俺に話をさせようとやけに話を振るのが鼻につき始めた。


あぁ…そういうことか。


俺と貴志を話させるために、こんな席に連れて来たんだな。


そんな手に乗るかよ！と思った俺は、隣の女の子に負けじとビールをひたすら飲み始めた。