もう一度抱いて
しばらく飲んでいると、隣の小さな女の子がいきなり俺の顔をじっと見つめて来た。


酔って少しトロンとはしているけど、澄んだ瞳に吸い込まれそうになる。


「な…に?」


思わず問いかけると。


「あなた良い飲みっぷりねー」


いきなり感心したような顔をされた。


「アンタこそよく飲むね。強いんだな」


俺がそう言うと、その子はニヒッと子供みたいに笑った。


ぷっ、なんだこの子。


小動物みたいな顔して。


ちょっと、今のは可愛かった。


「つまらないよねー、コンパって」


「え?」


「いきなり知らない男の子と、仲良くなんか出来ないよ…」


ふぅん。


やっぱ見た目通り幼いっていうか、奥手なのかな?


「俺も苦手ー。めったに来ないんだけど、今日は無理矢理連れて来られたんだ」


「私もー。
気が進まないのに、ぜひにって。
一緒だねー」


「じゃあ気が進まない同士、飲もう!」


「おーっ」


俺はちょっと酔って来たのか、いつもと違うテンションになっていた。
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