もう一度抱いて
その子と飲むのは、なぜかすごく楽しかった。


酔ってるせいもあるのかもしれないけど、俺が言うこと全てにいちいち楽しそうに笑ってくれて。


こんなに笑ってくれると、俺もつい、色々しゃべってしまっていた。


それと、俺はあることに気づいていた。


この子の声は、聞いていてすごく心地良いんだ。


優しくて透明感があるのに、ちゃんと芯があって。


ちょっと珍しいタイプだなと思った。


そうやって二人で盛り上がっていたら、いつの間にか他の連中が全員帰っていることに気づいて。


俺とその小さな子は、自分達が置かれた状況にギョッとしてしまった。


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