もう一度抱いて
今すぐここを飛び出して、何してんだよって叫びたくなった。


でも隣に彼女がいる俺には、そんなことは出来なくて…。


俺はぐっと拳を握り締めて耐えていた。


その後のふたりの様子を見ていると、拓真は必死に永瀬に謝っていて。


あぁ…アイツ。


つい、弾みでしちゃったんだな。


何やってんだか…と呆れてしまった。


でも、拓真の気持ちはわかるんだ。



あの子の顔を至近距離で見たら。



あの子の柔らかい肌に触れたら。



きっと。



キスしたくなるだろうなって…。
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